指針

心臓外科におけるダビンチ支援手術のための指針

ロボット心臓手術関連学会協議会

委員長 北村 惣一郎
日本心臓血管外科学会 小林 順二郎
日本胸部外科学会 夜久 均
日本ロボット外科学会 渡邊 剛

2015年 12月14日制定
2016年 3月16日改訂
2018年 7月22日改訂

施設基準

  1. 心臓血管外科専門医が2名以上常勤していること
  2. 心臓血管外科指導医(修練指導者)が1名以上常勤していること
  3. 体外循環技術認定士が1名以上常勤していること
  4. 体外循環使用手術を年間100例以上実施していること
  5. 心停止下低侵襲心臓外科手術(以下、MICS)を20例以上実施していること。但し少なくとも10例以上の僧帽弁形成術を含めること

術者及びダビンチ手術チーム基準

  1. コンソール術者は、三学会構成心臓血管外科専門医認定機構が認定する心臓血管外科専門医であること
  2. ダビンチ支援心臓手術を行う前に、別紙1に示す「心臓外科におけるダビンチ支援手術教育プログラム」に従いダビンチ手術チームを編成の上、全員がトレーニングを修了していること。また、当該プログラム修了後も、継続した自主トレーニングに努めること
  3. ダビンチ支援心臓手術の開始にあたっては、ダビンチを用いた内胸動脈剥離などを既に経験していること
  4. ダビンチ支援僧帽弁形成術を始めるにあたっては、開胸でのMICSによる僧帽弁形成術に習熟していること
  5. ダビンチ支援心房中隔欠損閉鎖術を始めるにあたっては、開胸でのMICSによる心房中隔欠損閉鎖術に習熟していること
  6. 僧帽弁形成術、心房中隔欠損閉鎖術以外のダビンチ支援心臓手術を始めるにあたっては、開胸での当該MICSの手術を十分に経験していること

ダビンチ支援手術に関する基準

  1. ダビンチ支援心臓手術の初症例から少なくとも3例までは、別紙2に示すプロクター資格基準を満たしたプロクターを招聘すること
  2. ダビンチ支援心臓手術を行う際は、術前のインフォームドコンセントで機器に支障があった場合の対応を説明しておくこと
  3. 僧帽弁形成術、心房中隔欠損閉鎖術以外のダビンチ支援心臓手術を始める場合は、術式ごとに施設の倫理委員会の承認を得ること
  4. ダビンチ支援心臓手術に用いる機器について、適切に保守管理がなされていること
  5. JACVSD(NCD)にデータを全例術前登録し、手術成績・合併症発生の頻度等の把握に協力すること

この指針は臨床成績等を鑑みて3年後に見直しを行う。

※上記「ダビンチ」とは現在本邦で承認されている以下の品目を指す
  1. 1. da Vinci サージカルシステム(承認番号:22100BZX01049000)
  2. da Vinci Si サージカルシステム(承認番号:22400BZX00387000)
  3. da Vinci Xi サージカルシステム(承認番号:22700BZX00112000)
  4. da Vinci X サージカルシステム(承認番号:23000BZX00090000)
※心臓外科(心停止下で心内操作を行う手術に限る。)への適応に対する承認条件
  1. 本品の有効性及び安全性を十分に理解し、手技等に関する十分な知識・経験を有する 医師及び医療チームによって、本品の適用を遵守して用いられるよう、関連学会と協力 て作成した適正使用の指針の遵守を徹底し、適切な教育プログラムの受講を医師及び 医療チームに徹底するために必要な措置を講ずること。
  2. 適応領域の治療に関する十分な経験のある医師を有し、本品を用いた手技に伴う緊急 時の対応を含めた十分な体制が整った医療機関で、本品が用いられるよう、関連学会 と協力し、策定した施設基準を満たした医療機関での使用を徹底するために必要な措 置を講ずること。

心臓外科における ダビンチ支援手術教育プログラム

心臓外科におけるダビンチ支援手術を始めるには、以下の教育プログラムを履修することを求める。

  1. コンソール術者、アシスタント術者、直接介助看護師及び臨床工学技士を含む「ダビンチ手術チーム」の編成を行い、手術計画を策定する。
  2. インテュイティブサージカル合同会社が提案する以下のトレーニングを受講する。
    1. (1)コンソール術者
      1. インターネットで提供するオンライントレーニング
      2. 各ダビンチ設置施設での機器管理、操作などに関する基礎的なトレーニング
      3. インテュイティブサージカル合同会社公認施設での症例見学
      4. 献体を用いたラボトレーニング
    2. (2)アシスタント術者
      1. a. インターネットで提供するオンライントレーニング
      2. 各ダビンチ設置施設での機器管理、操作などに関する基礎的なトレーニング
      3. インテュイティブサージカル合同会社公認施設での症例見学
      4. 献体を用いたラボトレーニング
    3. (3)直接介助看護師
      1. インターネットで提供するオンライントレーニング
      2. 各ダビンチ設置施設での機器管理、操作などに関する基礎的なトレーニング
      3. インテュイティブサージカル合同会社公認施設での症例見学(推奨)
      4. ※教育プログラム履修済の直接介助看護師が在籍している場合、当該直接介助看護師による十分な指導を受けることで、他の看護師がダビンチ手術チームに参加することができる

    4. (4)臨床工学技士
      1. インターネットで提供するオンライントレーニング
      2. 各ダビンチ設置施設での機器管理、操作などに関する基礎的なトレーニング
      3. インテュイティブサージカル合同会社公認施設での症例見学

なお、教育プログラム履修後も、ダビンチSkills SimulatorTMやドライモデル等を用いた実機での自主トレーニングを継続し、自己研鑚に努めること。

心臓外科におけるダビンチ支援手術にかかるプロクター資格基準

心臓外科におけるダビンチ支援手術にかかるプロクター資格基準を下記の通り定める。

  1. コンソール術者としてダビンチ支援心臓手術を通算20例以上実施した実績があること
  2. 1. の実績をもってロボット心臓手術関連学会協議会からプロクターとして認定されていること
  3. アシスタント術者及びダビンチ手術チームスタッフに対して適切な指示を出せること
  4. ダビンチを使用した手技に関する幅広い知識を有すること
  5. 術中に起こりうる合併症及びトラブルに対する十分な知識と判断能力を有すること

なお、上記1.~5.を満たしロボット心臓手術関連学会協議会に認められた外国人医師を、プロクターとして認定することができる。

以上

このページの内容をPDFでもご覧いただけます。
心臓外科におけるダビンチ支援手術のための指針[PDFデータ 160KB]