ごあいさつ

ロボット心臓手術関連学会協議会

Robot-Assisted Cardiac Surgery Council

racsc.jp

委員長 北村 惣一郎

心臓血管外科部門では従来より、胸腔鏡など内視鏡を利用した低侵襲手術はほとんど行われておらず、保険医療としては唯一、小児動脈管開存症に対する胸腔鏡下クリッピング手術のみでした。そのため、心臓外科領域ではda Vinciロボット支援手術に対して企業治験が求められました。6年間に及ぶ治験及び審査を経て、平成27年12月22 日にda Vinci S及びSiが、また、平成28年3月25日にda Vinci Xiが「薬事承認」され、国内での心臓手術にda Vinciロボットの利用が認められるに到りました。

「薬事承認」に際して、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構(PMDA)より求められたのは、

  1. 多数例で安全性を期するため、市販後登録調査として、全例のNCD登録を行うこと。
  2. 関連する日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、及び、日本ロボット外科学会と協力して「ロボット心臓手術関連学会協議会」を設置して、学会との協力体制のもとに施設・術者の認定や教育を行うこと。

1.については、全例のNCD登録により早期に医療安全上の問題点を発見し、「患者の安全を守る」ことが目的であり、NCDの御協力を得て、ロボット心臓手術用の登録項目の付設を完了しました。平成28年4月12日より登録運用可能となっています。

2.については、3関連学会のホームページ上にも「施設、術者の研修内容・項目等」を簡単に掲載して頂いておりますが、此の度、より詳細な利用者及び一般向けのホームページを協議会として開くことになりました。

治験調整委員長を務めさせていただいた私が、協議会委員長に就任してロボット心臓手術の整備と普及を計ります。未だ極めて少数の認定医師(プロクター)と認定施設しかありませんが、将来を見つめて設立したものです。

この領域では医療費の問題も大きく、医師・看護師・技師の研修と資格取得にも高額の費用を要しますし、医療そのものも現在のところ自費診療しか行えません。これではロボット心臓手術の普及は望めませんので、本医療の安全性と有益性に関する資料を蓄積して、早期に「先進医療」の承認を得ることも本協議会の目標です。
御支援の程、宜しくお願い申し上げます。

2016.5.18

追記:

平成30年4月1日付けでロボット(daVinci)支援僧帽弁手術が保険収載され、保険医療として承認されました。これもひとえに関係各位による御尽力の賜物であり、協議会委員長として心より感謝申し上げます。
K544-2で保険点数は胸腔鏡を利用した胸骨温存低侵襲手術(右胸部小切開)と同じ点数です。
今後、義務づけられております全例JCVSD-NCD登録を通してロボット手術の優位性を示すことが出来れば点数改訂も望みうると考えております。まだまだ研修施設やプロクターの先生方の数も少く、施設・術者認定に時間が掛かっておりますが、改善を目指します。
御支援・御助言の程宜しくお願い申し上げます。

2018.4.25